夜中にツィンバロンのバチをチェックしています
夜中に、新しく綿を巻き直したツィンバロンのバチをチェック。スネアドラムの練習台が意外と役に立ちます。
秋の演奏会に向けて、少しずつ準備を始めています。
楽譜の準備や練習はもちろんですが、今いろいろと手を加えているのが、ツィンバロンのバチです。
ツィンバロンは弦をバチで叩いて音を出す楽器です。
そのため、どんなバチを使うかによって、弾いた時の感触だけでなく、音色や音の立ち上がり、強弱のつけやすさなども変わってきます。
僕にとってバチは、単に「弦を叩くための棒」ではありません。
演奏する自分の手とツィンバロンの弦との間にある、とても大切な部分です。
綿を巻き直したバチをチェック
先日、何本かのバチを新しい綿に巻き直しました。
ツィンバロンのバチの先には綿を巻きますが、この綿の状態が意外と重要です。
巻き方の強さや量、硬さによって、弦に当たった時の感触が変わります。
柔らかすぎてもいけないし、硬すぎてもいけない。
左右のバチのバランスも気になります。
実際の演奏では右手と左手が高速で動くこともありますから、ほんの少し感触が違うだけでも、演奏している側にはかなり大きな違いとして感じられることがあります。
今夜は、新しく綿を巻き直したバチの跳ね返り具合を確認していました。
ツィンバロンのバチは、あまり跳ね返らない
ここがちょっと面白いところです。
ツィンバロンのバチは、弦を叩いたあとに大きく「ポーン」と跳ね返ってくるような感触ではありません。
むしろ、バチに巻かれた綿が弦に当たった瞬間のパワーを適度に吸収してくれます。
もちろん、奏法やバチの種類によっても違いますが、この独特の感触はツィンバロンを演奏するうえでとても大切です。
ツィンバロンのバチにはいろいろな種類があり、演奏する曲や求める音色によって僕も使い分けています。綿の量や巻き方、硬さが変われば、弦に触れた瞬間の感触も変わります。
こうした違いは写真だけではなかなか伝わりません。実際に長く演奏していると、「これは少し跳ね返りすぎる」「もう少し打弦の力を吸収してほしい」といった、ごく小さな違いが気になるようになります。
そして僕は、その感触にけっこう近いものを身近なところで見つけました。
意外と似ている「スネアドラムの練習台」
それが、写真に写っているスネアドラムの練習台です。
本来はドラマーがスティックの練習などに使うものですが、表面がラバーでできています。
今回スネアドラムの練習台を使っているのも、僕自身がいろいろ試してきた中で、このラバーの感触がツィンバロンを打弦した時の感覚に比較的近いと感じたからです。
この表面のラバーをツィンバロンのバチで叩いてみると、
「あ、これ結構似てるな」
と思いました。
もちろん、本物のツィンバロンの弦を叩くのとまったく同じではありません。
でも、バチが当たった瞬間に力を少し吸収して、必要以上に大きく跳ね返ってこない感じが、僕にはツィンバロンを打弦した時の感触にかなり近く感じられます。
そこで、新しく綿を巻き直した時には、この練習台を使って左右のバチの感触やバランスを確認しています。
夜中なので、ツィンバロンは叩けません(笑)
なぜこんなことを夜中にやっているかというと……。
さすがにこの時間に、本物のツィンバロンを、
ポコポコポコポコ…
と叩くわけにはいきません(笑)。
ツィンバロンは結構よく響きます。
しかも「ちょっと確認するだけ」のつもりが、楽器の前に座ってしまうと、
「こっちはどうかな?」
「もう少し強く叩いたら?」
「高音域では?」
…と、結局あちこち叩き始めてしまいます。
夜中にそれをやったら大変です。近所迷惑…。
そこで今夜は、スネアドラムの練習台を使って、
ポコ、ポコ、ポコ…。
こっそりチェックしています。
これなら音もずっと小さいので、夜中でもバチの感触をある程度確認できます。
小さなバチから音を作っていく
演奏会の準備というと、どうしても「何の曲を弾くのか」「どれくらい練習したのか」といったところに目が行きます。
でも僕にとっては、こういう準備も演奏の一部です。
楽器の状態を確認する。
バチを手入れする。
必要なら綿を巻き直す。
実際に叩いて、左右の感触を確かめる。
そして、自分が欲しい音に少しずつ近づけていく。
ほんの小さな違いなのですが、演奏する側にとっては、その小さな違いが結構大きいんです。
秋の演奏会では、このバチたちにも頑張ってもらわないといけません。
ということで、もう少しだけ…。
ポコ、ポコ、ポコ…。
夜中のバチ調整は続きます(笑)。